家具を製作する際、職人は様々な道具を使います。

家具職人は、手加工のときに使う道具から電動の道具まで、多くの道具を使って一つの家具を製作しています。

職人にとって、道具は一生自分を助けてくれる相棒です。

今回は、新人のときから手加工の際に使う道具を紹介します。

家具職人に欠かせない道具を紹介

それでは、手加工の際に使う、家具職人には欠かせない道具を紹介していきます。

①ノミ

nm

ノミとは、木材・金属の表に穴をあけたりみぞを掘ったりするのに使う工具です。

柄を槌などで叩いて、穴を掘ったり、削ったりする際に使用します。

ノミは刃の切れ味が命です。切れない場合は、必ず研ぐようにしてまめに手入れしましょう。

また、ノミには多くの種類があり、用途に合わせて使い分けます。

_SP_0183

家具作りでは、ほぞ組みをする際、ほぞ穴を掘るためによく使います。

ほぞ組みとは2つの木材を組み合わせる方法のひとつで、接合強度がかなり強くなります。

 

②鉋(カンナ)

k

鉋は、直方体の樫(かし)の木の台に、角度をつけて刃をはめ込んだもので、木材の面を削ってなめらかにするときに使います。

鉋で木目の出た板を慎重に削ると、艶々の表面に美しい模様が浮き出てきます。これは機械加工ではできない、鉋加工ならではの魅力と言えます。

ノミと同じく鉋も種類が多く、平面を削る平がんなの他に、溝や曲面などの特殊な形状を削る鉋はまた別に、たくさん用意されています。

_SP_0200

家具作りでは、テーブルの天板などの仕上げに使うことが多いです。

鉋は台に刃が刺さっているだけの単純な道具ですが、削るときに調整が必要になります。

その調整を、木材の材質や形状によって試行錯誤して考えないといけないので、鉋を使いこなすためには相当な技術力が求められます。

 

③玄能(げんのう)

g

玄能は一般に聞き慣れない言葉ですが、金づちの一種です。

昔、玄翁和尚(げんのうおしょう)が殺生石を砕いたことから名付けられたという話が残っています。

片面は平面、片面はやや球状にふくらみ、用途や場所によって使い分けます。

家具作りで釘を打つことはまれなので、主にはノミを叩いたり、家具の組み立てのとき、ほぞを打ち込むために使います。

 

④鋸(のこぎり)

n

鋸は木材を切断する道具で「のこ」ともいいます。

両刃鋸の場合、両側の刃はそれぞれ「縦挽き」「横挽き」の場合がほとんどで、形状と使い道が異なります。

木材を繊維の方向に沿って切断するときに使う鋸を「縦挽き」と呼び、 木材を繊維の方向と直角に切断するときに使う鋸を「横挽き」と呼びます。

家具作りでも、「縦挽き」「横挽き」を使い分けて木材をカットするために使います。

 

⑤差し金(さしがね)

s

差し金は、直角に折れ曲ったL字型で、目盛りがついている金属製のものさしです。

両方の辺(長手と短手)に目盛りがあり、内側にも目盛りがあります。

目盛りは材木などの長さを測るのに使われ、角は直角を測るために使われます。

木材を加工する際、設計に従って、切る長さや厚さを決めてやらなければ加工はできません。

どこをどう切って、穴をあけるかを指示するための道具が必要です。それを計るのが差金です。

家具作りでは、主に、長さを測る時や直角を確かめる時、直角に墨つけをする時、材料を等分割する時などに使用します。

 

⑥罫引き(けびき)

P1010755

罫引きは、定規板に差した角棒の一端に刃を取り付けたもので、木材面に線を引いたり、薄板を割ったりするための木工具です。

罫引きの定規板と刃の間は常に一定です。一度その長さを決めてしまえば、いちいち計りなおすことなく、同じ長さを求めることができます。

また、刃によって罫書くため、墨で付けた線のように太くなることもなく、材も汚さず、精度の高い線となるので、細かい仕事に向いています。(※位置決めなどの下書きを、罫書くといいます。)

罫引きは鉛筆で罫書くよりも効率が良く精確です。

 

⑦スコヤ

P1010756

スコヤは、差し金と同じく直角を測るための道具です。

差し金に比べると小さく、表裏共に目盛りがついた、L字型の形態のものです。

差し金との大きな違いは、短い辺が土台となり長い辺の金属板を食い込ませるような作りのところ。この段差があることで、土台内面が定盤のような役割をします。

主として比較的小さく精密な寸法を要求される工作作業の際に、寸法を直接読み取りながら、材料や工具の直角を出すためのガイドとして用いられます。

精度が求められる直角の確認と金属にケガキをする時・木材に墨付けする時に使用します。

 

⑧白書き(しらがき)

P1010757

白書きとは、定規を用いて材に直交、又は斜交した線を引くための道具です。

墨さしや鉛筆線より正確に、墨付けが出来ます。精密な加工をする場合の罫書きには必需品です。

重過ぎず持ちやすくシンプルな形状で、ノミと同じように切れ味はとても良いです

鉛筆より細い線を引く事が可能な道具で、正確にノミを入れるための位置決めができます。

また、鈍角気味に研いで使い、正確な鋸挽きのガイド溝にも使います。

 

一流の職人は道具を自分の手足のように使う

家具職人は、たくさんの種類の道具を使いこなして素晴らしい家具を作ります。

中でも、木が好きな家具職人は、道具をうまく使えます。

樹齢100年、200年の木の命を、少しも無駄のないよう、命を生かし切ろうと思うこと。そして、家具という新たな命を吹き込む気持ちで手を動かすのです。

そうしていると、道具をうまく使えるようになっていきます。

P1010719手加工の道具を使った、蟻組木の練習風景

また、道具の整備を常にしておくことも大切です。

道具が常に整備されていれば、現場を見て、何の道具が必要なのかすぐに分かり、段取りよく仕事ができます。

道具を自分の手足のように使えるようになれば、一流の職人です。道具はかわいがれば、その分だけ応えてくれます。

秋山木工の丁稚や職人は、鉋などの道具を自分で作ったりもしています。

秋山社長も、自分で作った鉋を使用しています。

秋山社長は、自分のお金で一つずつ道具を買い揃え、何十年も相棒として使っています。

今では、本当に多くの相棒とともに仕事をしています。

IMG_4849秋山社長の道具

 

まとめ

今回は、家具職人が使う基本的な道具を紹介しました。

しかし、今回紹介した道具はほんの一部にすぎません。

職人は、技を極めれば極めるほど、たくさんの道具を使いこなす必要があります。

その道具を手足のように使えることで、感動していただけるものを作ることができます。

始めは不器用でも、地道に練習を続ければ、うまく道具を使えるようになります。

ただ繰り返し練習をするのではなく、心を込めて全力でやり続けることが、道具と一体化するために必要です。

職人は、人一倍やって初めて、人並みのことができる。この意識が大切なのです。

この記事をシェアする

ABOUTこの記事をかいた人

秋山木工

秋山木工の情報をお伝えしていきます!